数日前の出来事(って時点で日記じゃないですわな)。

あまり幅のない車道を渡って横切ろうとして一歩足を踏み出し、車が来ていないか左右を確認してみると右側からスキンヘッドな体格のいいオッチャンが自転車こいで来たので、慌てて一歩退きながら自分の前を通り過ぎるまで目で追って確認……していたら

何故かオッチャンがこちらを見つめ返してくる!!!

必然的に目が合ってでも自分はそしらぬフリをしてそのまま道を渡り、何も気付かなかったかのような素振りで道沿いに歩く。するとおっちゃん自転車こぐスピードを落として

何故か自分の歩調に合わせてくる!!!(しかもこっち見ながら!!!

ガン飛ばしたと勘違いされたのかしら…ああ、人生最大の危機ここにと肝を冷やしながらそれでも知らぬフリを続けて内心ビクビクしながらオッチャンに気付いていないかのようにそのまま歩き続ける。そして遂に

「ぉい兄ちゃん!!!」

しまった殺される! 或いはやらないか!? マイライフの終焉を覚悟した自分は最後くらいキャラ変えてもいいよねと思い、世の中の全てを見下すかのような視線を向けながら「ぁあい?」と語尾を無駄に上げながらオジサンに返事をする。人生二十年。我が人生に悔いなし。オッチャンの出方を待つ。すると、

クラシックバレエでげらってゃっさ」

??????? ……………………いや、確実にクラシックバレエと言った。その後は何不明だったけども絶対にクラシックバレエって言った! 何だこのオッチャン、藤原組長みたいな姿格好してるくせにクラシックバレエが何だって? 全く関連性が見いだせず、シカトするにできないので「え、何ですか?」と聞き返す。

「兄ちゃん、クラシックバレエやってるのか?」

やってないから!!!!! いよいよ違う意味でこのオッチャンに対して警戒すべきという認識を新たにしつつ、事の真意を問い糾す。

「いやぁ、兄ちゃん見てると身のこなしが軽いからよぉ」

「はぁ…」


終冬。

バレエサークルにスカウトされてみっちりしごかれた、みたいなオチは御座いません。