ヱヴァ観てきた

公開初日=映画の日にちゃっかり観に行きました。普通、新作の上映は興行収入を考慮して映画の日である毎月1日からずらすという話を聞いた気がするのですが、その情報が誤りだったのか、あるいは自信があるからこそあえてぶつけたのか…。後者だとすると、ネットでの盛り上がりから察する限り、口コミ効果めいたものは期待できそうですし、狙いとしては当たったことになるのかな? 最終的な興行収入がどの位まで行くのかも楽しみです。

で、エヴァを(ほぼ)リアルタイムで目撃してきた自分としての今作の評価は文句無し。いいもん観させていただきました。

今回の"序"はリメーク的な要素(制作サイドが謳うところの"REBUILD"ってやつですね)が大部分を占めていることもあり、オリジナル版を知る人間がこの作品を評価しようとするとどうしても差分抽出な作業に徹してしまいたくなるところは仕方ないのでしょうね。観ている間はずっと「ちょ、ここでこう来るの!?」「おぁ、え、なんで!?」と、小出しにされてゆく差分という名の謎の魅力に振り回されつつ、それでいて「そうそうエヴァはこういう感じでないとね」というどこか安心感のようなものも味わいつつ、相反する二つの感覚が同時に脳を刺激することで生まれる興奮にひたすら身を委ねてしまいました。作中で気になった謎要素についてはid:DENIMが日記でひたすらまとめてくれていたのでそちらに任せつつ、自分はシナリオの部分とは別で「音」の方に気を取られていたということを書いておきましょうか。

まず声。最初にエヴァの新劇場版が作られるという情報を知ったその瞬間に気になったのが「そんなもう10年とか経とうというのに声優どうするの!?」という点だったのですが、ここはもう完全に杞憂だったことを思い知らされました。流石に皆さん当時のままの声という訳にはいきませんでしたが、やっぱりプロがプロたる所以というものがあるんでしょうね。むしろ、今までちびちびとゲームやらパチスロ?やらで展開されてきていたメディア展開は、今回の劇場版で声優陣がベストパフォーマンスを発揮できるようにするためのリハビリテーションだったのではと疑いたくなるほどのクオリティでした。声については今後も何ら心配する必要は無いかと思います。

次は音。単純に映画館だから迫力の音響に圧倒されたよというのもあるのでしょうが、SEで気になる音が色々あったかなぁというのも印象強いです。エントリープラグの中の環境音あたりに「これもうドローン系アンビエントミュージック…ってかむしろもうニカって言ってしまって良いんでね?」という感想を持ったりもしたのですが、特に印象が強かったのは某使徒が放つ音。予想外な変形っぷりの方がインパクト大きくてどうしてもそちらに気が行ってしまいますが、オリジナル版ではあんな「鳴き声」と表現しても良さそうなほどの強烈な音は発していなかったはず……。変形によって観客が見せ付けられる「強さ」とは違い、あの無機質なデザインの使徒から放たれる音もまた観客に「恐怖」を植え付けるほどのインパクトがあったんじゃないでしょうか。自分はむしろ後者に終始ドキドキさせられていました。

そして音楽。最初にあのもう何度も聞いてきたフレーズが耳に飛び込むや否や、「おぁ、まさか録り直し!? …いやいやいわゆる劇場補正でしょ」と、そもそも観るまで音楽はどうなるんだろうという疑問を全く持っていなかった自分を恥じたりもしたのですが、いつの間にか随所で現れてくる新曲が耳に入るともうニヤニヤすることしかできませんでした。

NEON GENESIS EVANGELION S2 WORKS

NEON GENESIS EVANGELION S2 WORKS

エヴァの音楽については↑の音源集をそれはそれはもう当時から飽きを通り越すほど聞きまくっていたので、この音源集に収められていた未使用曲や未完成曲にも無かった旋律を耳にした瞬間はもう「また鷺巣さん曲書いてくれたのか!」という驚きに打ちひしがれてしまうに決まってるでしょ!!! オリジナル版ではあまり無かった打ち込み色を強く出した曲もあったりで、これはもうサントラ出るよね出ないなんてありえないよね出すよね出せよと念じながら作品を鑑賞していたのですが、あのスタチャ様がこんなに美味しい素材を無碍に扱う訳がありませんね。劇場で売られていたプログラムにしっかりとサントラの発売予定が記されていました。因みにプログラムには鷺巣さんによる短い文章も寄せられており、エヴァ音楽スキーであれば押さえておいて損は無いアイテムかと思います。

ともあれ、まずはこの興奮をリアルタイムで味わえたことを嬉しく思うと共に、またエヴァで興奮させてくれた製作サイドに感謝の意を表明するのみです。スタッフロールの後で流されたあの予告編はお客さんへの挑戦状と受け止め、次の展開、そしてさらにその先でまた我々を歓喜と非難とが渦巻くカオスへとぶち落としてくれることを願ってやみません。